アーセナル副会長が辞任
アーセナルの副会長、デヴィッド・デイン氏が突如クラブを退団し、衝撃が走りました。デイン氏は、FA副会長や欧州ビッグクラブ連合・G14の議長を務め、サッカー界に影響力のある人物。同氏は退団の理由を、他のアーセナル幹部との「意見の不一致」としています。
この騒動の背景には、同クラブの買収問題があると言われています。今月上旬に米国人富豪スタン・クロエンケ氏が英民放テレビ局ITVからアーセナルの株式を譲り受け、その持ち株比率を9.9%にまで伸ばしました。クロエンケ氏はNFLのセントルイス・ラムズ、NBAのデンバー・ナゲッツ、NHLのコロラド・アバランチなど、複数の米プロスポーツクラブの大株主。同氏の登場は、「プレミアリーグ・ビッグ4、最後の砦だったアーセナルも、いよいよ外国人の手に堕ちるのか?」とイングランド中を震撼させました。
この時は、クロエンケ氏とアーセナルの双方が、同氏に「クラブ買収の意思はない」とコメント。株式の取得はあくまでも、既に2月に発表済みだったアーセナルと米国MLSコロラド・ラピッズ(これもクロエンケ氏の所有)との業務提携の一環と話しました。しかし、事態が急変したのは今週になってから。英『ガーディアン』紙のインタビューで、アーセナルの会長、ピーター・ヒル=ウッド氏が外国人によるクラブ買収について否定的な見解を述べ、「アーセナルの主要株主は、所有する株式を売却するつもりはない」と宣言。そして同日、前述の「意見の不一致」を理由にデイン副会長が辞任してしまったのです。
この一連の事件でアーセナル内部に、買収を断固拒否するヒル=ウッド派と、クロエンケ氏の資本参加を歓迎するデイン派との軋轢が生じていたことが浮き彫りになりました。
今回の騒動の影響として気になるのは、アーセン・ヴェンゲル監督の去就。同監督を11年前にアーセナルへ招聘したのはデイン氏であり、信頼していたパートナーがいなくなった今、ヴェンゲル監督が残り1年となったクラブとの契約を延長するのか、不透明になってしまいました。
もうひとつ注目されるのは、現経営陣とクロエンケ氏との関係です。デイン氏は彼の持つ14.6%のクラブ株式をクロエンケ氏へ売却する可能性があり、発言力をさらに増した米国人富豪が今後どのような動きに出てくるのか気になるところです。





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